[書籍]散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道(梯 久美子)

うちの姉貴が「いい本だよー」って言うので借りて読んでみる、なんか旬のベストセラーらしいし。どうやら例のイーストウッド映画の日本サイド版「硫黄島からの手紙」の脚本にもかなり影響大っぽい。

散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道
梯 久美子
新潮社
売り上げランキング: 1,213

ちなみに米国サイド版「父親たちの星条旗」はこっち、最近単行本化されて読みやすくなった。

父親たちの星条旗
父親たちの星条旗

posted with amazlet on 06.11.04
ジェームズ・ブラッドレー 大島 英美
イースト・プレス

ただオリジナルのタイトルは「硫黄島の星条旗」、タイトルの変更の仕方がちょっと気にはなるな。買うなら「父親たちの星条旗」の方がいいと思うが、こっちにはカスタマーレビューが載ってるのでリンクを貼っておく。図書館なんかでもこっちの方が借り易そうだし。

硫黄島の星条旗
硫黄島の星条旗

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ジェイムズ ブラッドリー ロン パワーズ James Bradley Ron Powers 島田 三蔵
文藝春秋
売り上げランキング: 76,412

で、以下書評だが…、この手は嫌う人も多いかと思うので分割エントリにしとこう。ちょっとキツめの書評だし。

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[書籍]アーロン収容所(会田雄次)

左も右に首を振りっぱなしなのも疲れるので、とりあえず「知る」ために書籍を読んでみる。

ビルマ戦線で最後まで生き残り、戦後イギリス捕虜となってラングーン地方の捕虜収容所に二年間捕虜生活を強いられた著者が当時の記憶と日記(当然メモ帳なんて支給されないからこっそりトイレットペーパーに書いていた)による、捕虜当時の私人としての感想と客観的に見ようとした時の心情を可能な限り再現した名著である。

ちなみに初刊行が昭和37年、文庫版が昭和48年発行っていうから相当古い本である。こういった本がまだ当時そのままの内容で新品で手に入る辺りは評価されるべきだろう。ただその分仮名づかいがちょっと古いので、ある程度古い漢字が読めないと読みづらいかも知れない。

書いておくが著者は「当時から開戦の大儀も懐疑的であったし、現地に到着してからの武装及び支給は粗末極まりない始末だった」と述べており、別に全く右寄りの人では無い事は断っておく。

アーロン収容所
アーロン収容所

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会田 雄次
中央公論社
売り上げランキング: 31,993
おすすめ度の平均: 4.83

5 軍人でない人の、戦争が終わった後に始まる戦記です
5 強烈なシーン・・・
5 異民族が交錯した場所

それにしてもこの内容の鮮烈さはどうだ。始めの三分の一はイギリス人と日本人との違いにあまりに本気でクラクラする、精神的に読むのが辛い位だ。「人種差別」という事の本質をこの年齢でようやく理解するとは思わなかった。「人種」の中で差別するんじゃなくて、もう「人間」と「家畜」の間に入るようなもん(家畜と同等かも知れない)なのですな、本物は。

思えば「イエローモンキー」という言葉は揶揄で無く、本気でそう思ってた奴も多かったのでは無かろうか(ルーズベルトは「日本人は人間と猿との混血説」を信じていたとする怪しい説もある、その割には本人は親華派ではあるが)。日本も「鬼畜米英」と言っていたが、これについて「本気でそう思っている者はほとんど居なかった」と作者が述べている。ここで注意すべきなのは「あくまで作者の周り」の話であることね。

ちなみに有名な「戦陣訓」の「本訓 其の二:第八 名を惜しむ」にある一節。

> 恥を知る者は強し。常に郷党家門の面目を思ひ、愈々奮励して其の期待に答ふべし。生きて虜囚の辱を受けず、死して罪禍の汚名を残すこと勿れ。

というのは戦後散々批判され、これを発行した東条内閣が激しく批判されたのも有名ではあるが、書いたのは「東条英機」本人では無いし、Wikipedia:戦陣訓にあるように本来の趣旨と全く逆に言われている事も書いておこう。

でもコレに限らずシベリア抑留や中国での思想改造(日本人捕虜のみならず朝鮮・ベトナム戦争時にアメリカ人捕虜も共産主義洗脳を受けている)なんかの話を聞くと、どっちにしろ捕虜としてまともな扱いを受けた人々はまだ幸いだったのかも知れない。アメリカ軍捕虜は結構待遇が良かったらしいが(この辺り未確認)、戦争初期には「日本軍の遺骨を本国に送って記念品にした(「ライフ誌」の表紙にもなったり、後に軍から禁止行為が通達)」という事実もあるからなんとも言えん。無論日本が他国軍捕虜に行ったと言われる残虐行為も看過すべきではない。

後半近くになるこの状況下においてもなお生きていく日本軍捕虜、そしてビルマ人、グルカ人、インド人等の人間観察など割と読みやすく、面白くなってくる。日本人についても著者自身が述べているが、「今の日本人が失った物」が散見される以外に、本質的に良い所と悪い所が今とあんまし変わらないような気もしてなぜだがちょっと安心したりもして。民族性ってのは数十年の年月やGHQが行ったWGIP(War Guilt Information Program、詳しくは各自ググって調べる事)位じゃ変わらんもんだなぁ、と。

ここ最近はWGIPの洗脳からようやく解放されつつあるような気がする。青春時代を戦争真っ只中に過ごしたうちの母の話を聞くとWGIPの効果も絶大であるな、とは思うが大本営発表の嘘っぷりも相当なもんだから仕方ないような気もする。でも話すと色々面白いよ、大東亜戦争前に既に日本でキリスト教徒でも無いのにクリスマスを祝う事があった事も判るし(さすがにケーキまでは出ない)

ちょっと話が脱線気味になったので戻すと、要するにこの本は「戦後間も無いビルマでの各種人種の観察日記」と言ってもいい。右の人には日本が掲げた「大東亜の解放と独立」という大儀、左の人には日本人捕虜が受けた惨い仕打ち(「人間として扱われない」というのは、まだ拷問を受けるより辛いのがよーく判る)や各種アジア人が日本軍に対してどういう態度を取っていたか、などを改めて問い直せる名著であろう。なんというか「読んでおいて良かった」と思わせる内容である。

個人的に、一番印象に残った一説を引用しておく。

>  無意味で過重で単調な労働の連続は、やがて兵隊たちの反抗心を失わせ、希望をなくさせ、虚脱した人間にさせていった。半年もたつと収容所の門で、飯盒と水筒をもち、腰をおろして出発命令を待っている兵隊の顔は、なんとも異様なものになっていた。みんなだまりこくって、ぼんやり地面をながめている。兵隊につきものの猥談も出ない。
>  もう雨期で雨合羽には音をたてて大きい雨がたたきつける。立っているのは嫌だ。みな雨合羽のまま泥の上に並んで腰をおろしている。泥水がしみこもうが、雨水が背中へ流れ落ちようが、もうどうでもよいという調子である。何かのときふとそれを見ていた小隊長が、驚いたように私に言った。
>  「捕虜だ、みんな。これが捕虜の顔だ。みんなまったく同じ顔だ。」

…果たして今の日本人はみんな違う顔をしているだろうか。出勤ラッシュの時なんかみんな同じ顔をしていないか。今は本当に平和で幸せなのか。そんな事をこの一節から強く感じた。

しかし後書きで英語版の発行に関してイギリス人から「日本軍もイギリス人捕虜に対して残虐行為を働いていた!」と批判が相次いだらしいが、やっぱり根本的な所から分かり合えない人種なのかなぁ、翻訳がまずかった(あるいは英語では著者の意図が伝わらなかった)可能性もあるけど。

[コミック]僕の小規模な失敗(福満しげゆき)

えーと出てから一年ちょいか。ちょうどその当時に話題になってたのを覚えていて読みたいなと思ってはいたが、なにせマイナー誌コミックなもんで本屋で偶然見かけるまでに至らず。

ところが先週の「週刊モーニング」に突然コレの続編が読み切りで掲載。コレがもう個人的にかなりツボだったので探しまくって買っちゃったよ。奥付を見たら今年の8/31に第四版かかってるのにどこにも売ってない。モーニングに掲載直後は在庫があったと思ったのだが、アレで一気に火がついたのだろうか。

僕の小規模な失敗
僕の小規模な失敗

posted with amazlet on 06.10.06
福満 しげゆき
青林工芸舎
おすすめ度の平均: 4.6

5 ストーカー氏の希望の星(ウソです。ごめんなさい)
4 不安を描く、不安を読む、不安になる
4 今、40~50代のオールド漫画ファンにお勧めです

えぇとなんつうか…リアルです、色々と身につまされる事多すぎ。すげぇ面白かったけど、「ダメである」事に苦悩しながらなんだかんだ言って漫画描いて生きていって、ちゃっかり(問題は多少あるが)可愛い奥さんも貰ってたりして、逞しい人です。

今の桜玉吉の作風とかが好きな人には奨められるけど、そうで無い人は嫌がるだろうなぁ。人生において「絶望感」とか「挫折感」とか味わった事の無い奴は読むな! オレの座右の銘は「苦労と挫折は買ってでもしろ!」ですから!

しかしこのリアルさは本当に洒落にならない。フラれたあとに理由を考えようとしても「ダメだ…怖くて考えられない!」って辺りもねぇ…。あのリアル手紙には正直引いたし。

とりあえず他の作品も読みたくなったので、今注文できる他のコミックスも取り寄せ状態だが注文入れちゃった。絵も味があっていい、地道にこの人の描く女性は体のラインの表現が実にいいなぁ。

まぁアレですわ、「人間生きてりゃなんとかなる」と思った。あと「自分はダメである」という自覚があるうちはまだまだ大丈夫。

[書籍]「それポン」のその後

(公式サイト)

昨年購入して絶賛した「それはポンから始まった」、気が付けば公式サイトからオレ書評にリンク貼られてました。

それ自体は嬉しいんだけど、逆に言えばうちが載るって事は書評の絶対数がよっぽど少ないって事だよな…、ネット書店でも買えるようになったみたいなので興味のある方は是非、と再度プッシュしておく。

というのも発行予定の「メーカー別のゲームタイトル集」のがちゃんと出て欲しいからです。まだまだ時間はかかるそうですが是非頑張っていただきたい所。

[書籍]COLLECTABLE TECHNOLOGY

出張に行く前に「たのみこむ」で見かけて欲しいけどネット書店で扱ってない、ってネタにした本。帰ってきたら普通にどこのネット書店でも売ってたのでamazon経由でサクっと買ってしまいました。

COLLECTABLE TECHNOLOGY
COLLECTABLE TECHNOLOGY

posted with amazlet on 06.05.27
ペペ トッツォ 古谷 真佐子
トランスワールドジャパン (2006/05)

オリジナルは2005年にイギリスで出版された書籍らしく、160ページでヘンなサイズのオールカラー本。中身は「たのみこむ」の方に「コレクタブル・テクノロジー」って名前で出てるのでそっちが参照になるかと。

1ページ1品か2品、かなり直訳気味(悪く言えば下手)の日本語による説明がアレだが、やっぱこういうものは見ていて非常に楽しい。「古い電卓とか見て楽しいんか?」とか言われたら素直に「ハイ」と言える人なら買いだと思う。この手の本の常で高いけど、買い逃しちゃうと結構大変だしねー。ただ3,000部は刷り過ぎじゃねーのか? とか思うが。

イギリス出版なんでシンクレアとか充実してて、それがまたいい。ちなみに我が愛しのVectrexもきちんと1ページ使って紹介しております。それにしても「FORCE」を標準搭載していたパソコンが存在してたなんて知らんかったよ…ちなみに製作はあの日本でもお馴染みシンクレアZX-81のスタッフってのがまたなんとも。

この手の書籍は今後も同じ出版社から出るみたいで、ちょっと楽しみ。なに本物を買い揃えるよりはずっと世間的にマシだし。

[書籍]「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズ

存在は大分前に知っていて、非常におおまかな設定も以前に聞いてはいて気にはなったが読んでなかったこの作品。アニメ版があまりに凄い出来なんで2話が終わった時点でついついamazonで「憂鬱」から「陰謀」まで一気に購入。その後「憤慨」はGW前に書店で購入。

ネタにしてないから日記だけ読んでる人には知らないだろうが、一時期かなりの量のラノベを読んでた時期があったり。というのもラノベ好きな友人が「読め」と押し付けてくるのだ。入院中に百冊位まとめて持ってきたりしておかげで読んだ冊数だけはかなりの量にはなるなー。ただここ数年はサッパリ読んでなかったのも事実ではある。

涼宮ハルヒの憂鬱
涼宮ハルヒの憂鬱

posted with amazlet on 06.05.22
谷川 流 いとう のいぢ
角川書店 (2003/06)
売り上げランキング: 2,895

涼宮ハルヒの溜息 涼宮ハルヒの退屈 涼宮ハルヒの消失

涼宮ハルヒの暴走 涼宮ハルヒの動揺 涼宮ハルヒの陰謀 涼宮ハルヒの憤慨

で、チマチマと読み続けて先日ようやく読了。amazonでは現在一部入荷待ちになってたりするし、「全巻揃わないー」という悲鳴もあちこちから聞こえてくる。改めてオレの行動力に乾杯。あ、ちなみに「ハレ晴レユカイ」は買っておりません。

結論から言うと「傑作」ってほとじゃないんだけど「良作」ではあると思う、ただ文体がかなり独自なんでダメな人はとことんダメそう。短編の中には正直オレが編集長だったらボツ出しするであろうモノがあったりするのも事実だが、この短編がきちんとたまにある長編のしっかりとした伏線になってるから侮れない。というか伏線を出すために短編を無理やりひねり出してる気がかなりする。

オレ個人としては非常に楽しませてもらった、そうキョンと同様にオレは子供の頃からミステリーやオカルトの類に科学的説明を求めつつも憧れを抱く純粋な少年だったのである。何せ兄貴が「ムー」を毎月買ってたしな、ちっとも純粋じゃないって? ある意味純粋培養だろ? そんなオレがそのものズバリに憧れるような物語なんだから興味を持つなと言われても仕方が無いのである。

しかしamazonのカスタマーレビューを見ると、「アニメ版」との比較が全く無意味であるにも関わらずそれを延々と指摘してる奴らが多いのには「時代が変わったのだなぁ」と改めて思った。「朝比奈さんのシーンが想像しかない」ってお前そこはソレが正しいんだよ! あくまでコレはラノベであって挿絵が重要なのは判るが、挿絵を超える位の想像力位育む努力はしておけと。あと一回くらい挿絵の無い長編小説を読んでおけと。

物語としては「ハルヒ」そのものは単なるタネで、正直ハルヒが出てこなくても存在さえしていれば成り立つ構造になりつつあるのだがその辺りは仕方が無い。ほれウルトラシリーズとか「名作」って言われてる奴って大抵ウルトラマン側はオマケみたいなもんだろ? そこにツッコミを入れるのも野暮ってもんだ。

欠点としては「一見つまらない短編でも伏線になってる」事が多いので、シリーズを通して読まないと面白みが薄れてしまうって事だろう。それはそのままアニメ版の問題にも当てハマる訳で…、いやもう残り回数少ないのにどうするんだろうね?

アニメ版は良く出来ててそれはそれで良いのだが、「長門がナノ単位で頷く」なんて表現はやっぱり小説でしか表現しづらい分野であったりするので、個人的には現在圧倒的に原作派である。お気に入りキャラは長門と鶴屋さん。とりあえずシリーズは当分続くだろうから楽しませてもらうことにしとこう。

[書籍]国家の品格 藤原正彦

積極的に読むつもりも無かったのだが、姉貴が買って貸してくれたので読んでみた。

国家の品格
国家の品格

posted with amazlet on 06.05.07
藤原 正彦
新潮社 (2005/11)

…んー、いわゆる「色んな人々の思惑で操作しまくられている旧態メディアを信じて疑わない」人には入門用にいいかもなぁ、という程度。「日本にも誇るべき文化と精神があるんだよー」という意見はごく真っ当なんだけど、ネット上での議論は既にその次のステージになってるし(それ以前のステージに居るお方も一杯居ますが)

#別に情報の信憑性がネット>旧態メディアと主張している訳では無い。

講義をテキスト起こしして修正したってのもあるけど、文章も散漫だし何より作者の冗談がちっとも面白くない。というか冗談そのものがこの書籍の品格を落としているような気もするw、あといくつかの主張に事実誤認がある模様。「虫の声」辺りの海外との認識差くらいですかねぇ、面白かったの。

この程度の本がベストセラーになるのはともかく、「画期的」と呼ばれる事自体が日本が異常事態である証拠かも知れん。

[書籍]ガンプラ開発真話

ちょっと前に週刊アスキーかどこかで紹介されてたのでつい購入。この手の「プラモの歴史本」には弱いんだよなぁオレ。

ガンプラ開発真話
ガンプラ開発真話

posted with amazlet on 06.04.30
猪俣 謙次 加藤 智
メディアワークス (2006/03/17)

基本的にはレビューにある通り「ガンプラが生まれるまでの歴史」と「基本的に細かく書かれてるのはMSVシリーズ辺りまで」である。その内容にはケチを付けません、というか自分が読みたかった部分がまさにソレだしね。「スケールキャラクターモデル」というモノがそれまでの歴史上で如何に異質であったか、という事については読むまで気づきませんでした。つーか「作ってて試作して計ったらちょうど国際スケールだった」というのもナニだが。

ボックスアートの話も出てきたのは嬉しかった、MSVシリーズやザブングルシリーズのパッケージアートを描いた石橋氏が故人というのはかなり寂しい。ザブングルの設定資料集でもパッケージアートは大してでっかくなかったし、著作権的に難しいだろうけど石橋氏のボックスアート画集出さないもんかねぇ? 1ページ1作品位の気合の入った奴。出たら買うんだが。

ただこの本、メディアワークスという事もあるのか正直ライター達の文章力がナニだとか内容の割に高いとか…いや出ただけマシかとは思うのだが。もうちょっとなんとかならんかったのかなぁ、とは思う。ストリームベース絡みの人が書いてないのもちょっとナニだし。

しかしガンプラブームの頃って、本当に社員も死にそうな位忙しかったのですなぁ。当時オレは行きつけの模型屋の店主に頼んで新製品は取り置きしてもらったのでブームで苦労した記憶が全く無かったりする。兄貴に頼まれて1/144ガンダム買いに行った時なんて、まだブームが始まってなくて山積みになってたしなぁ…。つくづく兄貴の先見性だけは凄いと思う、こんな兄貴が居るからこんな弟が出来てしまった訳でorz

[コミックス]漫画家超残酷物語 (唐沢なをき)

話題になってる事は知ってたが未見のこの作品、ついでに言うと元ネタになった永島慎二の「漫画家残酷物語」も存在は知ってるけど読んだことはない。しかし評判の良さもあって先日本屋でみかけてつい衝動買い。

漫画家超残酷物語
漫画家超残酷物語

posted with amazlet on 06.04.23
唐沢 なをき
小学館 (2005/11)

…唐沢なをきは天才だと改めて思った。例のごとくシモネタ全開なので唐沢作品に免疫の無い人には全く奨められないのがナニだが、中身はシビアだ。本気で「モノづくり」に関わる人間の悲哀を描ききってる。シモネタ全開だけど。氏の作品に抵抗が無くて、かつ「モノ書き(描き)」に関わってる、興味のある人には強力にお奨めしとく。

オリジナル版も読みたいなと思ったんだが、結構入手困難っぽいので困った。文庫版ならオークションでそこそこ安く手に入るらしいが、ちゃんと原画が下版になってるのって「ふゅーじょんぷろだくと」が出した黄色い涙シリーズしかないみたいだし。札幌の漫画喫茶にもあるかどうか怪しいしなぁ…。関東ならありそうだけど、イメージ的に。

[コミック]モーティヴ-原動機 一色登希彦

現在、ビッグコミックスピリッツで「日本沈没」のコミック版を連載しているのだが、これがめっさ面白い。作者は一色登希彦、同じ作者の以前ヤングキングで連載していた「モーティヴ-原動機」が某所で絶賛されてたので買ってみたら見事にハマった。

「モーティヴ-原動機―リフュールド #1 一色登希彦」

「モーティヴ-原動機―リフュールド #2 一色登希彦」

非常に熱いですよコレ。絵にクセがあるとかで人を選ぶかも知れないけど(オレも雑誌で立ち読みした時は絵で敬遠しちゃったし…)、バイク好き、モータースポーツ好きなら強力にお奨めしておく。こういう生き方してみたいよなぁ。

で、買ってから「リフュールド」ってサブタイトルが付いてることに気づいたのだが、どうもコレは作者のバイク一連作「モーティヴ-原動機」シリーズの一つらしい。元々はヤングジャンプで読み切り連載やっててコミックスになっている。こちらは通常のバイク乗りを含めた短編集なので、「バイク好きだけどモータースポーツはちょっと…」てな人はこっちのがいいかも。

モーティヴ-原動機 1 (1)
モーティヴ-原動機 1 (1)

posted with amazlet on 06.04.01
一色 登希彦
集英社 (2003/09/19)
売り上げランキング: 39,409

今はヤングサンデーで読み切りやってるらしく。たまにいい作者に出会えると人生の活力になりますねぇ、マジで。