[文庫]こころの処方箋 河合隼雄

「絶望に効くクスリ―ONE ON ONE(6) 山田 玲司」で著者に興味を持ったので購入。文庫で安いし。

こころの処方箋
こころの処方箋

posted with amazlet on 06.02.02
河合 隼雄
新潮社 (1998/05)
売り上げランキング: 3,246
おすすめ度の平均: 4.47

4 元気のモト!
5 良かったです。
5 素晴らしい

…いや非常に良かった、思わず連続して二回もじっくり読み直しちゃったし。実際読み始めた時機がちょうど精神的にちょっと疲れてたので、本気で救われた感ありあり。

作者自身もあとがきに書かれているが、この本には「常識」しか書いていない。その「常識」の深層を非常に判りやすく、かつ面白く書いているのが特徴である。だからこそ心に響くのでは無かろうか。

人によって受け取り方は違うだろうが、個人的に印象的だった章は

– コレクター必読の「絵に描いた餅は餅より高価な事がある」
– 疲れた心身に凄く効く「ものごとは努力によって解決しない」
– 読ませたい人多数な「健康病が心身をむしばむ」
– ちょっと価値観が変わった感すら受けた「同じ運命でも演奏次第で値段が違う」
– 趣味や恋愛関係で悩んでる人必読の「どっぷりつかったものが本当に離れられる」

などなど、なんか挙げていったら半分くらい書いちゃいそうな勢いなのでこの辺りで止めておく。

判ってしまえばどうという事はないのだ、この「判ってしまえば」には「容易には理解出来ない事が判る」という事も含んでいる。そういった事を淡々と判りやすく書く河合氏は本当に凄い。この原稿が手書きで手直しほとんど無し、というのが信じられないが、逆に言えばそういう書き方でないとこのような文章は生まれないのかも、とwwwに転がってる駄文(この文章もなー)を見て思ったり。最後の章でも16年前の文章なのに全然古くないし。

読めば一つは気に入った章が見つかるのではなかろうか、そしてなにかあった場合にその章のタイトルを思い出せば「あぁ、そういう事ね、それじゃあ…」と腹を決めるなり達観したりとりあえず悲観してみたり出来る。自分の中の「なんだか判らない感情」が判るだけで人間ってのは楽になれるもんなのだね、知らんかったわ。

とりあえず河合氏の本は今後も折りを見て買ってみるつもり。

しかし

> 一人で楽しく生きている人は、心の中に何らかのパートナーを持っているはずである。

って、脳内彼女(または嫁)公認ですか、とか思ったのは秘密だ(ぉぃ。オレには現在その両方もマジで居ないんですが、居た方が精神安定上良いのかなぁとはちょっと思ったり。

[コミック]御緩漫玉日記 #2(桜玉吉)

本屋で一生懸命探してたら、大量入荷してたのにあまりに物凄い表紙だったので中々目に入らなかった罠。装丁とかはいいんだけど表紙はもうちょっと考えた方がいいのではないか、一見さん買わないぞコレ(汗)

御緩漫玉日記 (2)
御緩漫玉日記 (2)

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桜 玉吉
エンターブレイン (2006/01/30)

中身は一巻に続いて相変わらず、というか「奥村勝彦」名義で描いた奴なんか物凄い内容で本気で心配してしまう。個人的な心境が変わったのか、一巻を読んだ時ほど精神的には来なかったけどな、ちょっと一歩引いて読めるようになったというか。

相変わらず面白いんだけど、もう一度書いてしまうほど作者本人がマジで心配だ。もはや日記マンガとしては歴史に残る作品になってきていないかコレ。ただ玉吉氏はオレよりちゃんと生きてるなぁ、と思ったり。なんつーかオレも多少はエロエロな心配とかしてみたいですよ、えぇ(ぉぃ

[書籍]日本の名レース100選 Vol.1「’76 F1イン・ジャパン」

日本の名レース100選―AUTO SPORT Archives (001)「’76 F1イン・ジャパン」

昨日間違って買った本がコレ。出るなんて事は全然知らなかったのだが、本屋で立ち読みして衝動買い。…フランク・ウィリアムズが歩いてる写真ってすげぇ違和感あるなぁ(汗)

当時の写真とか資料とか載りまくりで資料性は非常に高い。当時のF1に憧れを持っていた身としてはすげぇ嬉しい。ラウダの北ニュルの事故から富士の自主リタイアまでの記事とか読み応えあり。

しかし「ロニー・ペテルソン」とか読んでて途中まで判らんかった。要するに「ロニー・ピーターソン」の現地語読みなのね。

[書籍]それは『ポン』から始まった

チマチマと読み進んでようやっと読了。ハードカバーでおよそ540Pの大作、一冊の本読むのにこんなに時間かけたの久しぶりかも。

で、詳しい書評はオレが書くよりHally氏が自サイト「Classic 8-bit/16-bit Topics」にて書いてますのでそちらを参照した方がずっと参考になるかと。

…それじゃああんまりなので「ユーザーとしてゲームに関わった長年の歴史はあるけど付き合いが適度にヌルい」オレ個人の書評。正直とても良い本でした、Hally氏も書いてますがあの混沌とした(おそらく全てを把握するのは不可能である)70年代後半~80年代にかけての各ゲームメーカーの成り立ちとその発展がきちんと記述された事の意義は大きいと思います。

例として個人的には「『海底宝探し』って本当にナムコ製なのか?」とか「『Mrs.パックマン』ってどういう経緯でどこで製作されたんだ?」とか「どうして『ギャラクシアン』以降、ほぼ互換ハードのゲームが各社から発売されたのか?」という長年の疑問があった訳ですが、これらがスッキリ解決出来て感無量です。あと某社と地域暴力団との関わりとかね。

後半はゲームに対する訴訟・裁判関係に大きくページを割いており、この辺りは賛否両論あるかと思いますが個人的には非常に興味深く、また意義のある内容かと思います。昔のゲーセンって今の人には信じられない位コピー基板って当たり前でしたからねー。それこそ「コピー基板」ネタで一冊書けるんじゃないかと思うくらいだし、微妙にアレンジが加えられたのもあってそれはそれで当のメーカーには大問題だったんでしょうがユーザーからしてみればちょっと興味深い世界ではあります。

個人的には恥ずかしながら「ドンキーコング事件」は知ってても「ドンキーコングJr.」事件までは知らなかったし、またセガユーザーには因縁深い「テトリス事件」の全貌がようやく理解できて(ものすげぇややこしい内容だったんだな…)こちらもスッキリ感が。それにつけても海外だとまだ論理的に納得行く展開なのに、日本の司法だと無茶苦茶な理論展開がなされてる事が多い事にはやっぱりorzだ、それにしても任天堂って昔っから老獪だったんだなー、あんな所がエミュ特許取るのってやっぱりヤバいよ。

逆にそういう事に一切興味が持てない人には、読んでもあんまし面白くないかも知れないという危機感はある、amazonとかで売ってないし、値段も高いから気軽に買えないし。実際現状ではこの手のレトロゲーに興味がある人しか話題になってないし、もう少し一般向けに振った方が商業的には良かったのかも知れない。この本自体の歴史的史料価値はとても高いですけど、とかく出回らないことには…。

「年表の類が欲しいな」と読んでて思いましたが、後書きを読む限りでは「膨大すぎて本著に収めるのは無理」という事で作る意思はあるのでしょうか。もしそっちでもう一冊出すとしたら、もう少し一般向けになると思われるのでちょっと期待。Hally氏が書いているという話の書籍(こっちは家庭用メインでしょうか)も期待しております。

[書籍]戦闘メカ ザブングル 完全設定資料集

朝イチで届いてたですよ。とりあえず軽く目を通してみる。

戦闘メカ ザブングル 完全設定資料集
書籍編集部
一迅社 (2005/09/23)
売り上げランキング: 8,996

肝心のプラモ箱絵は載ってるけど図版小さい…orz、一個に付きカラーページ一枚使うくらいの奴を期待してたんだが。

ただそれ以外は良いです、完璧に設定資料集だし。スタッフのインタビューとかもあっていい感じ、やっぱりメカ的に「パトレイバー」に繋がる部分はあったのね。とりあえず「「ザブングルの世界感とメカ(特に小物類)が好き」ならお奨めかも。最近はこーゆー「真面目に緻密な設定でバカをやる作品」ってあんまし無いしなぁ…。

[書籍]クルマの神様

読了、色々と文句も言いたいけど福野礼一郎ファンとしては面白かった。

ほぼ同じ価格の「信頼置けるショップでの新車デッドストックのフェラーリ512BB」より「信頼性は一応ありそうなショップでの解像度低い写真と文章しか情報が無いフェラーリ365GT4/BB」を買って個人輸入してしまう辺りがいかにも礼ちゃんだ。30年越しの恋という事でその間に集めて調べ上げた資料はもう異常とも言える域に入ってるし。あそこで512BB買ったら嫌いになってたかもなぁ。

自分の事に当てはめて見るとレガシィB4GTは良いクルマだし結構気には行ってるんだけど、もう少し趣味性に振ったほうが良かったかもなぁという気もしている。左肩が治りつつある事でMTへの抵抗も少なくなってるし、以前は試乗車でシフトする度に辛くてもうダメかと思ったものなぁ。でもシチュエーションとかがハマると凄くイイんだよなぁレガシィ、ATも体調辛いけど運転せざるを得ない時とかには心底ありがたい。まぁ転職したばっかしって事もあるし、貯金はあるけど車検まではとりあえず乗る予定。

しかしGT4特集は…、いや言いたい事は判る。「自動車シミュレータを作る意義と有効性」を語りたいんだろう、それはオレも同意だ。んでもそれがGT4だけってのがどうも今ひとつ引っかかって。GT4が最高のシミュレータである事に議論の余地は…ありまくりだろ。なにせタイヤの空気圧さえ弄れないんだし。他のシミュ系を全部試した上で言うならいいんだけどさ、現状じゃ山内を持ち上げてるようにしか見えない。

しかし山内も山内で、あーたゲームプロデューサーという金策が絡む立場でありながら「書籍での返品制度」も知らなかったというのは一体どうかと思うぞ。GTが全世界で4300万本売れたっつーてもシリーズ累計だし[^1]利益率だけ見れば新作出るたびに落ちてる気もするし。金勘定を表に出さないのはいいんだけど「知らない」って言っちゃうのはなぁ…。

とりあえず今後出る予定の356GT4/BBのエンジンレストア本は買います。面白そうだし。ただ「クルマの神様」自体の次巻があるかどうかはかなり厳しいと思う。山積みになってたし、それこそ返品率は相当高いのではなかろうか。

[^1]: そういった意味では「クルマの神様」の表紙コピー『全世界4300万人が熱狂する』ってのは嘘

[COMIC]電子遊戯黙示録(マツダ)

ゲーモク氏が紹介してて面白そうだったので購入。ちなみに裏表紙は綿棒+アルコールでせっせとFCカセットの端子掃除をするテセラ…、マニアックだ。

電子遊戯黙示録
電子遊戯黙示録

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マツダ
宙出版 (2005/06/25)
売り上げランキング: 1,511
おすすめ度の平均: 5

5 ゲームハルマゲドン

…なんつー微妙な内容だ(汗) 最初は解説が詳しいのでフツーの人もネタは判ると思ったのだが、後半からもう飛ばしまくり、セガ好き&脊髄反射でネタが判る人で無いと辛いかも、オレ的にはすげぇ面白かったからいいけどさー。あと左開きのコミックってやっぱり読みづらいね。

密かに巻末のゲストコーナーが豪華だったりする。

[COMIC]ワルキューレの降誕 (1) 冨士 宏

ようやく届きました。やっぱり初回刷りは相当少なそうな予感。

ワルキューレの降誕 (1)
ワルキューレの降誕 (1)

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冨士 宏
マッグガーデン (2005/06/10)
売り上げランキング: 358
このページは在庫状況に応じて更新されますので、購入をお考えの方は定期的にご覧ください。
おすすめ度の平均: 5

5 女神との再会

「コミックブレイドMASAMUNE」なんつーマイナー誌(失礼)に連載中っつー事でつい最近まで存在を知らなかったのだが、まぁ隔月ペース連載なら単行本待った方がいいやね。きちんと最後まで出ればの話だけど(汗)

しかしFCで「ワルキューレの冒険」をクリアして「ワルキューレ」というキャラに魅せられて(萌えとはちょっと違うな)、今頃になってまさかちゃんとしたマンガを読めるとは…しかも絵も雰囲気も「午後の国」の頃から全然変わってませんよこの方、読んでいる時はなんというか自分が若返った気すらして感無量ではある。

これが出るくらいなら杉森建氏[^1]が某誌で連載してた「クインティ」も出して欲しいんだけど、復刊ドットコムの方で「現時点で復刊が不可能」となってるんだよなぁ…。氏の(多分唯一の単行本である)「ジェリーボーイ」は持ってるんだけど、こっちは切り抜いて保存しとけば良かった…。
[^1]: 初代ポケモンのデザイナー兼イラストレータ

[書籍]生き物として、忘れてはいけないこと―次代へ贈るメッセージ

姉貴が図書館から借りてきたので試しに読んでみた。作者の詳細はちょっとややこしいのでリンク先参照。

内容は「どうして学校に行かなくてはならないの?」「どうして人を殺してはいけないの?」等シンプルながらハードで答えにくい内容を、作者が今までの生活と自然の中で学んだ体験と知識を元に回答すると言う内容。

生き物として、忘れてはいけないこと―次代へ贈るメッセージ
コエン・エルカ
サンマーク出版 (2004/12)
売り上げランキング: 1,774
通常24時間以内に発送
おすすめ度の平均: 5

5 生き物としての自分を取り戻す

…ちょっといい本でした。まぁ様様な宗教観とか精神論は出てくるのだが、それを押し付けない作りになってるので(作者もそれを危惧してるとまえがきにある)偏見無しで読める。

自然界のあまり知られてない事とか、「仕事」と「働く」事の違いとか、そういった事が結構ツボに入って色々と考えさせられる内容であった。ちょっと落ち込み気味だったんで救われたかも。

[小説]お兄ちゃんはプログラマ

以前ネタにした奴。紀伊国屋を巡回してたら実物がコンピュータ関連コーナーにあったので軽く立ち読みしてみる。

<萌えるSE 業界ノベルズ> お兄ちゃんはプログラマ
4774123595 藤山 哲人

技術評論社 2005-04-23
売り上げランキング : 345533

おすすめ平均star
star非常に素晴らしい本
starプログラマを目指す人は必読?
star意外に真実

Amazonで詳しく見る by G-Tools

…前回はバカにしてスマン、意外に内容はコアの部分が真面目で面白いよコレ。名目上はライトノベル風だが実際はフィクションで業界内の暴露を小説形式でやってる本というのが正しい。

ただ本当に業界の悪い部分をきっちり書いてたりするので(度重なる仕様変更とか追い詰められるプログラマとか)、他業種の人は面白いかも知れんが同業種の人は泣けるかも、いろんな意味で。

きちんと読みたかったのだが、ちょっと薄い割に高いのでスルー。せめて800円前後ならねぇ…。SE/SI/PG業界の暗黒面を気軽に見たい人にはいいかも。あとそれ系の職種志望の人とかな。

しかしコンピュータ関連の所に「同人誌印刷のノウハウ本」とか置くのヤメレ>紀伊国屋。まぁソレ系でちゃんと一角のコーナーがあるからまだいいけど。