「絶望に効くクスリ―ONE ON ONE(6) 山田 玲司」で著者に興味を持ったので購入。文庫で安いし。
新潮社 (1998/05)
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元気のモト!
良かったです。
素晴らしい
…いや非常に良かった、思わず連続して二回もじっくり読み直しちゃったし。実際読み始めた時機がちょうど精神的にちょっと疲れてたので、本気で救われた感ありあり。
作者自身もあとがきに書かれているが、この本には「常識」しか書いていない。その「常識」の深層を非常に判りやすく、かつ面白く書いているのが特徴である。だからこそ心に響くのでは無かろうか。
人によって受け取り方は違うだろうが、個人的に印象的だった章は
– コレクター必読の「絵に描いた餅は餅より高価な事がある」
– 疲れた心身に凄く効く「ものごとは努力によって解決しない」
– 読ませたい人多数な「健康病が心身をむしばむ」
– ちょっと価値観が変わった感すら受けた「同じ運命でも演奏次第で値段が違う」
– 趣味や恋愛関係で悩んでる人必読の「どっぷりつかったものが本当に離れられる」
などなど、なんか挙げていったら半分くらい書いちゃいそうな勢いなのでこの辺りで止めておく。
判ってしまえばどうという事はないのだ、この「判ってしまえば」には「容易には理解出来ない事が判る」という事も含んでいる。そういった事を淡々と判りやすく書く河合氏は本当に凄い。この原稿が手書きで手直しほとんど無し、というのが信じられないが、逆に言えばそういう書き方でないとこのような文章は生まれないのかも、とwwwに転がってる駄文(この文章もなー)を見て思ったり。最後の章でも16年前の文章なのに全然古くないし。
読めば一つは気に入った章が見つかるのではなかろうか、そしてなにかあった場合にその章のタイトルを思い出せば「あぁ、そういう事ね、それじゃあ…」と腹を決めるなり達観したりとりあえず悲観してみたり出来る。自分の中の「なんだか判らない感情」が判るだけで人間ってのは楽になれるもんなのだね、知らんかったわ。
とりあえず河合氏の本は今後も折りを見て買ってみるつもり。
しかし
> 一人で楽しく生きている人は、心の中に何らかのパートナーを持っているはずである。
って、脳内彼女(または嫁)公認ですか、とか思ったのは秘密だ(ぉぃ。オレには現在その両方もマジで居ないんですが、居た方が精神安定上良いのかなぁとはちょっと思ったり。