ATARI Major Havoc Machine(TEMPEST Conversion Ver.)

そろそろ書きます、先日自宅に搬入した「Major Havoc」筐体のネタ。

この筐体は「TEMPEST」筐体から改造されたモノです。この個体は1984年に十数台が日本に輸入(船舶コンテナ一個分?)されて、何故かロケ稼働せずに個人向けに販売されたうちの一台です。「TEMPEST」筐体からの改造キットはATARIが販売してたんですが、これらの筐体に関しては在庫分をATARI自らが改造して出荷したんじゃないのかな、と勝手に思ってます。

なので電源は100V/60Hz仕様で(50Hzでも動く)、コインシューターは100円仕様なのです。

この「十数台輸入されてロケ稼働しなかった筐体」に関してはオレも詳しくないし某氏が某所で書くかも、ということなので書かないでおきます。ただ昔2ちゃんの某板で、とある著名なハイスコアラーが「昔TEMPEST改造筐体を持ってたけど実家に置きっぱなしにしてたら捨てられた」って書いてた奴、アレがこの中の1台って事は書いておきます。その某氏経由に聞いたから間違いないw

購入したものとは別の1台は数年前「パックマン展」で上京した時に某氏のガレージで拝見してまして、その時に「xx万で買わない?」とか言われて相当悩みました、しかし設置場所が確保できずに結局スルー。その代わりに遊びまくって「Major Havoc面白え!」って目覚めるきっかけにもなりました。こっちの筐体の方がオリジナル筐体より先に触ってるんですね。オリジナル筐体なんてKinacoさん所有のしか見たことも触った事ないんです。アレがどれだけレアだと思って。

さて時は流れてついにマンションを買ってしまったワタクシ。一人で暮らすには無駄に広いので筐体の一台くらい置いても問題は無さそう。そんな事で悶々とはしてたんですが、ある日に突然所有者とのコンタクトが出来てしまいました。縁ってヤツです。

そんな事で某氏を間に立てて交渉。無事購入となりました。搬入に関してはその道のプロである某氏にちゃんと依頼して一通りのメンテナンスを実施。オマケに「札幌に別の筐体を引き取りに行くついでに持って行きます」という事で輸送費も随分お安くして頂きました。有り難い。

さて購入した筐体、これは前述の通りにロケ稼働は一切行っていません、さらに言うとワンオーナー所有でずっと屋内保存されたものです。ついでに言うとあんまし使って無かったっぽいです。なんという好コンディション。

久々に電源を入れたらモニタのヒューズが飛んだらしいですが、色々調べて問題ないのでヒューズを入替えたら普通に遊べたとの事。まあヒューズも経年劣化しますしね。

これを某氏のガレージに運び入れて一通りの整備・清掃を行ってもらいました。具体的には清掃、一通りの状態チェック、全ての電解コンデンサの交換(ReCap)、コンタクトピンの清掃、モニタ基板の電源改造(壊れやすいので代替品交換が定番になってる)などです。基本的に程度は「非常に良好」との事でした。ただし一部に難あり、これは後述します。

そしてスケジュールを合わせて11月中旬にようやく搬入です。もうちょい遅かったら雪が積もり始めるので割とギリギリでした。会社には「大型家具の搬入」という事で有休を取りました、嘘は言ってません。

某氏がクルマに筐体を乗せて到着したのが夕方、そこから自宅の部屋まで搬入。ちなみにうちのマンションはほぼ段差・階段が存在しないので搬入自体はまだ楽な方だったと思います。

ただそれを差っ引いても筐体のデカい事。いや正確に言ったら幅はそこまででもないんですが(セガのアストロとかブラストの方が幅広い)、奥行きが大きくてですね…。あと最初は「設置は裏蓋を壁に付けて、メンテナンス時は移動して裏蓋開けて」とか考えてましたが、想像以上の重さで無理と判断したので部屋の壁に横付けして前後をフリーアクセスにしました。場所は取りますがメンテは非常に楽ではあります。

そして電源投入。ここでモニタの程度が異様にいい事にビックリします。いやマジで新品みたいなんすよ。焼け皆無のフォーカスもバッチリです。素晴らしい。操作系も完璧。凄い。筐体の一部にスレ、塗装の剥がれがありますがココは仕方がないでしょう。

ただ多少問題がいくつか。まずは電源・レギュレータボードの一部電解コンデンサの代替品入手が間に合わなかった事。基板の音声不良(一部Chが鳴ってないみたいな音) モニタの左右端が歪んでる事です。

しかしここに基板は「元から筐体についてきた1枚」「某氏が持ち込んだ手持ちの1枚」「オレの手持ちの2枚(1枚は予備)」と、少なくとも動作確認済みのが4枚あります。凄いw

別の基板を筐体に入れてみると音はちゃんと鳴ります、って事は基板の音声不良はチップセレクタTTLかオペアンプと判断、部品があればすぐ治るでしょう。問題はモニタの左右端が歪む事。せっかくのキレイなモニタなのにコレがどうやっても治せない。

回路図とにらめっこして、おそらくは(改造内容に含まれてる)左右のクリッピングをしてるツェナーダイオードがヘタれてるんじゃね? という所で時間切れ、本日の搬入は終わりました。ここまで格安でやってもらったし、部品は後で送るというので後はオレが頑張る番です。

そんな訳でとりあえず設置が完了した状態がコレです。男前です。

12月中旬にようやく部品が到着。基板の音声側はあっさり治りました。しかしホムセンで1/4inchなソケットを買ってまで外したモニタ基板のクリッピング用ツェナーダイオードを交換してもモニタ左右端の歪が全く改善されません。ちょっと心が折れかけます。

やらなければ何事も進まないので背面ドアを開けてどうにかします。

そもそもATARIの古い筐体は「基板を真後ろから搬入」する上に、ベクタースキャン系だと画面の微調整を基板上でやる必要があります。正直一人だとかなり無理があります。色々考えてたら「VectorVGA」という、ATARIカラーベクタースキャンの出力をアナログSVGA D-SUB出力に変換するアダプタを持ってることを思い出しました。今悪戦苦闘してる「Quantum」の製作にも活躍してる奴です。

幸いアナログVGAケーブルの長さに余裕はあったので簡単につながりました。そしてVectorVGAで見てみると…こっちでも左右端が歪んでます。ってことはベクターモニタ側で歪んでる訳じゃないって事です。なんという。

色々と調べてみた所、画面調整用半固定抵抗の一個が壊れてることに気づきました。値が全然リニアに変わらないどころか指で基板をはじいても画面がおかしくなる始末。半固定抵抗も経年劣化に弱い製品です。そんな訳で半固定抵抗一式を通販で購入しました。

半固定抵抗が届いたらさっそく交換。そして調整してみたら…左右の歪が治る! という事でビンゴでありました。その後正しいモニタに繋ぎ直して、姿見を持ってきて鏡を見ながら気合でモニタの調整をしました。完璧です。

ついでにタッチアップ塗料で筐体のスレ、塗装ハゲも修復し、見た目も随分綺麗になりました。そんな訳で完成です。感動です…。

タッチアップしてもあんまし写真写りは変わらんのですけどね。

しばらくローラーコントローラで遊んでたので、未だにスピナーに慣れてません。どっちが良いかと言うと「どっちにも良いところと悪い所がある」というのが持論です。

ローラーコントローラは「直感的な操作が出来る」「左右の切り返しが早い」のが利点です、問題は「構造上回転抜けが発生するのでとっさの移動に弱い」辺りです。スピナーは「ローラーコントローラより精密な操作が出来る」のが利点で、問題は「左右の切り返しに物理的慣性が強くかかる」辺りです。要するに慣れ、です。

ここで筐体の詳細です。前述したとおりにTEMPEST筐体を改造したものです。なぜか改造キットにサイドアートだけは用意されてなかったので「TEMPEST」のまんまです、現在は有志が専用のサイドアートをデザインして販売してたりします。

筐体の改造内容は結構大掛かりで、まずモニタを縦マウントから横マウントに変更、背面にACファンを追加。コンパネ・マーキーのシールの貼り替え。モニタ基板の改造(安全策のため)など。

基板は2ndロットのシルク印刷が「MAJOR HAVOC」になってパターンが修正された奴。ちなみに純正筐体に入ってる1stロットはシルク印刷が「TOLIAN WEB(スタトレが元ネタ?)」という製作中コードで、ジャンパも結構な量が飛んでおります。壊れたら治すの相当大変そう。

さらにこの基板はオリジナルに比べて音源チップが「Quad Pokey(POKEYチップのコアを4つ40ピンDIPに内蔵、音源のみ使用)」から「Quad Pokey Eliminator(オリジナルのPOKEYチップを4個使ってQuad Pokey相当にする子亀基板)」になってます。多分コストの関係。ちなみに「Quad Pokey」は「STAR WARS Return of JEDI」及び「FIRE FOX」にも使ってます。

オリジナルの操作はローラーコントローラですが、こちらの筐体は「TEMPEST」のスピナーをそのまま使います。入力自体はただのDIR/CLK方式なので流用が効きますがカウンタ数が全然違います。なので2ndロットの基板からはカウンタ入力に使うカスタムTTL「LETA」のRESOLピンのプルアップ抵抗が増えてます。ここをプルアップすることで倍カウント対応になりスピナーでの操作が可能になります。

しかし入手した基板は何故かここのプルアップがされてませんでした。その結果スピナーで回す量が倍になりまともにプレイできない状態です。正直着陸シーンからしてかなり無理ゲーです、本当にこれで遊んでたんですかね?

筐体内部のワイヤーハーネスは「TEMPEST」筐体のままです。そのままでは「Major Havoc」筐体には接続できないので(ピン数も違う)、変換用の「Conversion Board」というのを介します。

オリジナルの「Major Havoc」筐体に搭載されたベクターモニタは「Amplifone’19」というモノで、「TEMPEST」筐体に搭載されている「WG6100」より高解像度・高速度・高輝度がウリです。ついでに「WG6100」はピンクッション歪みがあって、これをゲーム基板側で補正する必要がありますが、「Amplifone’19」からは不要になりました。

余談ですが「Amplifone’19」は製造過程の問題で非常に故障が多く、現存数が多くありません。元々「Amplifone’19」が入ってた筐体の多くが「WG6100」に換装されています、Kinacoさん所有の「Major Havoc」筐体もそうです。ちなみに「TEMPEST」筐体に「Amplifone’19」モニタは奥行きの問題で入りません。

しかし「Major Havoc」基板にはピンクッション歪みの補正回路がありません、なのでこの補正回路も「Conversion Board」に付いてます。あとローラーを点滅させるためのLIGHT信号は電球のためそのまま5Vがかかってるので、そのまま「TEMPEST」筐体のスタートボタンLEDに入れるとLEDが死にます、なのでそこの印加抵抗も付いてます。

で、今回死んでた半固定抵抗が「Conversion Board」についてた「X LIN」だったりします。なるほど。

さらに2ndロットの「Major Havoc」基板はクロックダウンがされています。クロックアップではありません。そのためゲームスピードが明らかに違います。ついでに言うと音楽の演奏テンポまで遅くなります。

オリジナルはメインクロック:12.09MHz、ベクター描画回路:10MHzですが、今回のはメインクロック:10MHz、ベクター描画回路:8MHzになっていました。調べる限りでは2ndロット基板のクロックは複数あるらしいです、がオリジナルより遅いのは間違いないです。

遅くした理由に関しては「モニタの描画速度がオリジナルより遅いから」という話でしたが、実際にオリジナルクロックにしてみても描画速度は全然問題なく、むしろオリジナルクロックじゃないと遅すぎて画面のチラツキが増えるという始末です。

このクロック問題に関しては「ゲーム難易度を落とすため」というのが某氏の見解です。個人的にもそう思います。それだけ難しいんですこのゲームは。

そんな訳でクロックもオリジナル準拠に戻してます。こっちのが絶対快適にプレイ出来ますって。

今後は筐体の改造を予定してます。うちのATARIベクタースキャン基板はMolexの中継コネクタを駆使してハーネスの入替えが簡単に出来るようになってるので、筐体のハーネスもそうする予定です。コントローラの問題はありますが、既存の5ボタンコンパネだったらコンパネの上にそのまま置いても問題ないのを確認してます。筐体で「GRAVITAR」が遊びたい!

さらにもうちょっと言うと、やっぱりコンパネ自体も改造したいです。「TEMPEST」筐体のコンパネはかなり凝った作りで同じものを作るのは極めて困難ですが(やった人は居る)。見栄えを気にせずに(ロケ稼働するわけでもないので隙間とかあっても問題なし)1枚板を貼り付ける程度なら割とどうにかなりそうで思案中です。

オリジナルのコンパネはちゃんと残す前提で、個人的にはやっぱりローラーコントローラにしたいのです。

[光速船/Vectrex]負け組ハード烈伝

なにやらTwitterで書籍名がプチ炎上してるのでちょっとだけ。実はうちの光速船ページで資料請求のお願いが来てました。

最初はその書籍名にムッと来て、とりあえず返事を保留してました。

一晩寝て考えて「書籍がどのようなものであろうと、資料請求のお願いも丁寧だし断る理由も特に無い」って事で了承しました。なお資料として請求したのは間違いなくオレが撮影したか実物からスキャンしたものです。

その時のやり取りで「書籍名に抵抗があるので考慮してもらえないか」って話はしてます。実際に変わらなかったのは大人の事情って事ですね。

そんな訳で多分奥付にうちのサイトの名前とか載ってるかと思います。ちなみに献本はありませんでした、買うかどうかは評判見てから決めようかと(ケチくせえ

’17-01-14追記、あちこちから「刷り上がったら献本あるんじゃね?」という話もあるので頃合いを見て話を出してみようかとも。本名も住所もまだ連絡してないので放っておいても届く可能性はゼロです、はい。

’17-01-21追記、献本あるので送付先ください、と連絡がありました。後は届いて実際に読んでから改めて何か書くかも。

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[光速船/Vectrex]コインオペ光速船みたび

ヤフオクにまさかのコインオペ光速船が。これでオレの知る限り三回目ですよ。割と残ってるものなんだなあ。

[激レア 筐体★ バンダイ 光速船 / vectrex ハイパーチェイス \- ヤフオク\!](http://page15.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/t495449343)

今回はマインストーム以外の「ハイパーチェイス」「クリーンスイープ」「コズミックカズム」「ハルマゲドン」のインストが残ってるのが凄い。というかマインストーム以外も動かしてたんだという驚き。こういうのが出てくると興奮するよね。

流石に買わないけど、インストの画像データだけかなり欲しい…(汗

ちなみに前回の出品物はTwitterでアカウントを持ってる日本人が落札してるのを確認済みです。フォロワーさんではなかったので深追いはしてないけども。

2016/12/9追記、落札価格は506,000円でした。メモメモ。

[光速船/Vectrex]ヤフオクにてコインオペ版光速船出品中

久々に出ました、オレの知る限り二回目。前回は途中で取り消しになったので落札相場は不明。

[激レア 筐体★ バンダイ 光速船 /vectrex ★ マインストーム \- ヤフオク\!](http://page7.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/g189040334)

コレの中身は普通の光速船の筐体に穴を開けて固定してるだけ(コインボックスは本体とコントローラの間に挟む?)。その中身は結構ヤフオクで流通してたっぽく(一回出品されてたのを見たことあり)以前TLで聞いてみたら「なぜか知らんが穴が開いてる」光速船を持ってる人が何人か居て笑った。

バンダイの営業が小売店に売りつけたらしいが詳細は不明。欧州には別筐体デザインのコインオペ版Vectrexがあったので、それを真似したんじゃないかなあ、というのが推測。

30万だと海外勢がかっさらっていく勢いかな…、と思ったら入札が入りました。オレは写真だけ保存して静観しますw

…とか思ったら質問欄に外人さんが、コレは…これ本物なら相当突っ込んできますな。正直この人が落札した方が良い気もしてます。多分ちゃんとした解説ページとか作るだろうし。

しかしコインオペ版光速船は当時の札幌金市館(現ラルズストア…ってもう閉店してるか)で90年代初期まで三台ほど稼働してたはずなんだが、筐体はジャレコのポニー筐体みたいな緩い角度のついたセミアップライト筐体だったような記憶もあるんだがもう記憶が曖昧で。誰かそこら辺の所を教えて下さい(汗

ちなみにラルズストアは90年代になっても1F屋外のワゴンセールでスーパーカセットビジョンを売ってて、コレが中々売れなかった記憶。当時はまだ茶屋碁盤店(ここも現在火事で消失)があったから、そこに行けばソフトも新品で買えたのだ。ゴルフしか残ってなかったような記憶もあるが。

‘2016/9/19追記

落札価格は「531,900円」でした。外人さんもっと頑張るかと思ったんだがw

[Vectrex/光速船]Vectrex32

VectrexにCPU+メモリ付きカートリッジを刺して、独自BASICでVectrexのソフトを書いちゃうシステムが色々と凄い。正直に言ってものすごく欲しい。Windows10でちゃんとUSB接続出来るのか普段だが、単なるシリアル変換なのかなコレ。

[The Vectrex32 Project – A 32 bit upgrade to the Vectrex Arcade System](http://vectrex32.com/)

Vectrexはカートリッジバスに全部出てるのでこういう事ができちゃうのね。以前「Bad Apple!」を動かしたシステムと同じ考え方である。Vectrexのソフト開発は色々と敷居が高いけど、こっちは簡単に試せるのが素晴らしい。

にしても、この手の話に関するアンテナが低くなっててつらい。Vectrex関係の話はNewsGroupがまだに盛んっぽいけど、GoogleがGoogleReaderやめたと同時にRSS吐かなくなって巡回がめんどくさくなってねえ。どうにかならないかアレ。

[Vectrex/光速船]VECTREXIANS

ちょっと前に発注してた「VECTREXIANS」がベルギーから届きました、Vectrex用HomeBrewソフトの「ギャラクシアン」クローンである。今回めんどくさいの写真とか動画はなし。

[Kristof’s New Vectrex Page For New Games](http://www.kristofsnewvectrexgames.comli.com/ “Kristof’s New Vectrex Page For New Games”)

モノとしては大分前から動画とかで公開されてたけど(2007年製とか書いてある)、カートリッジ形式で販売されてると知ったのはつい最近。作者は以前「Vector Pilot」を作った人。じゃあ出来は問題ないだろうって事でコンタクトを取ったら普通に買えました。こないだヤフオクでトンデモな値段が付いてたのは一体。

「Vector Pilot」もそうだったけど、今回も相変わらず素晴らしい出来です。ゲーム本体もさることながら、音の再現度が凄い。音については残念なソフトが多いけど、この人はほんとう凄い。

ただゲームを始める前に編隊をきちんと並べるためのキャリブレーションを行う必要があるんだけど、うちの「光速船」では調整幅が足りなくてマニュアルにある通りに調整しきれなかった。このため編隊を狙って撃っても当たらなかったり、逆に何も無い所で当たったりする。飛行してるエイリアンへの当たり判定は全く問題ないんだけども。

ちなみに「ムーンパトロール」クローンの「Vector Patrol」もリリース予定はあるそうです。出たら買うよ。

HomeBrewソフトのたぐいは「All About 光速船」ではほとんど記事にしてないので、そのうちまとめて書きたいな、とは思っております。

[ベクタースキャン]「GAME ON」展での「ATARI STAR WARS」展示に関して

これ書くかどうか結構悩んだんだけど、書いちゃおう。

現在開催中の「GAME ON」展、これにATARI版「STAR WARS」のコックピット筐体がプレイアブル出展されております。筐体もコントローラも正真正銘の本物ですが…

残念ながら、中身はPC版のエミュレータです(中身を見た人に聞いたので間違いないはず)。モニタはブラウン管ですがラスタ表示です(つまりVectorMAMEですら無い) 遊んだ人の話ではI/Oの遅延も相当ひどくてまともにエイミング出来ないそうで。

オリジナルを海外から持ってきて、展示期間内に安定して動作させることの難しさはわかります。筐体の展示だけでも十分に意義があります。

でも、流石に中身がエミュレータであるのに何も注意書きが無いのは如何なものと思います。

オリジナルはもっと操作感にダイレクト感があって、表示はベクタースキャン独自のギラギラ感があります。そんな事を言っても伝わらない事は仕方がないんですが…。実際に初めて見た人に「なんだ所詮こんなモノか」と言われるのが一番つらい! そういう事です。

とりあえず自分の手持ちのベクターモニタを撮影した動画でも貼っておきますか。コレは「自分の目でベクタースキャンモニタを見た感じを再現」する事を重視したセッティングです。我ながら結構良く出来てると思うけど、ダメージ時のフラッシュがほとんど反映されてないのがツライ。そのうちリベンジしたいなあ。

追記:同展で稼働している「Lunar Lander」は大阪Kinacoさんの筐体貸し出しで本物のベクタースキャンです、本物モニタに本物基板で動いております。念のため。

2016/03/08さらに追記

ガチで問い合わせして「中身はエミュレータです」と公式回答があったそうで、そして筐体展示のみになったとの事。公式サイトのニュースリリースにも載ってる。う…ここのブログは関係してないよね? そのうち誰かが気づくことだよね?(汗

[企画展「GAME ON」の『スターウォーズ(ATARI版)』展示方法が変更に、実機ではなくエミュレータだった | インサイド](http://www.inside-games.jp/article/2016/03/08/96648.html)

ただ筐体展示のみになったのは少し残念、中身はエミュレータであることを明示しておけば、そのまま置いておいても良い気はするんだけども。ただ操作系が本当につらい(まともに遊べないレベルだそうで)からそれを考えるとちょっと微妙か。

ちなみに中身がPCのエミュレータって話はプレオープンの日に聞いてて、その話をここに書こうかどうか悩んだけど、実際に行った人が「アレはなんだ? 明らかに本物じゃない!」と言ってたのが結局書くことになった原因です。分かる人が見れば分かる、って事で。

2016/05/06さらにさらに追記

かなり前から話は聞いておりましたが、めでたく中身がオリジナルになるというお話が。てか記事(というか公式発表)では「中身入れ替え」みたいなニュアンスになってるけど、実際には筐体丸ごと入れ替えだよねコレ。

[企画展「GAME ON」にオリジナル版『スターウォーズ(ATARI版)』導入!5月11日よりプレイアブル化 | インサイド](http://www.inside-games.jp/article/2016/05/06/98390.html)

関わった方々お疲れ様です。詳しい話は色々聞いてるけどココには書けんな。

しっかし酒の席とはいえ「あれは誰も直せない」とかオレに言ってきたおっさんとか(実際にはとあるお方のおかげで二週間かかってません)、「修理にコンデンサが云々」とか言ってた自称モニタ修理のスペシャリストとか思い出した。世界は闇に包まれてるのう。

「GAME ON」が終わったら元の持ち主の所に戻すのが一番いいと思います。あそこに置いておいても壊れたらまた勝手にバックヤード行きだぜ。

[ベクタースキャン]新作アーケードゲーム「VEC9」

突然こんな記事な、まさかこんなものが出てきてるとは。いやこういうのすげぇ好きです。

[ゲームレガシー : 30年の時を超えて登場したベクターグラフィックスの新作アーケードゲーム 「VEC9」](http://blog.livedoor.jp/trakt/archives/1845964.html)

開発中の画面を見てる限りでは自作のベクター用D/A基板だけを自作して、ゲーム自体はPCで動かしているようにも見える。そ、そのD/A基板売ってください…w

[ベクタースキャン]BLOG紹介:アタリ スターウォーズをプレイ・ベクタースキャンモニターの整備

例のコントローラ自作で物凄いクオリティの人が、気づいたらベクタースキャン関係にまで手を突っ込んでた。

これが実に濃い。二種類のベクタースキャンモニタのレストアとその違いをここまで詳しく解説してる記事なんて世界的に見ても貴重ですよ。という訳でベクタースキャン博士の称号はこの人に与えたい。

[アタリ スターウォーズをプレイ](http://ykuns-mechanical-club.com/atari%20star%20wars.html “アタリ スターウォーズをプレイ”)

[ベクタースキャンモニターの整備](http://ykuns-mechanical-club.com/vector%20scan%20monitor.html “ベクタースキャンモニターの整備”)

にしてもモニタのレストア記は思い当たる話が多すぎて面白すぎる。いや実際やってみないとわからないと思うんだけど。オレもAmplifoneの偏光ヨーク基板は本気で泣きそうになりつつ修理しましたよ。

あとWG6100のInput Protection Boardをユニバーサル基板で自作してるのもポイント高い。ちなみに実際の製品版基板も持ってたけど、正直見た目はほとんど変わらんですw

しかしコンバージェンスの調整方法とかマニュアルに載ってるんだけど(オレはそれを見てやった)マニュアル持ってないんだろうか、それで治すのも凄いと思うんだが…見落としだよね?

あと個人的にはAmplifoneのがギラギラしてると思うんですが…。描画速度全然違うしな。

[Vectrex/光速船]Bad Apple!! とそれを実現する謎技術

TLを見ていたらVectrexで東方シリーズPVで有名な「Bad Apple!!」を再生している動画が紹介されていた。

うわーベクタースキャンでの再現を先にやられたかー!(言うだけ番長)、X-Yレーザーで再現は海外で大分前にやってるので、ベクタースキャンと相性良いのは分かってるんです

で、動画自体は帰ってから(ついでに言うと一回寝てから)見たんだけど、おかしい。Vectrex本体とマルチカートで実現してるらしいが、とてもこんなデータを置く場所がないぞ、しかも音楽も実機で再生してるとかどうなってるんだ、と思ったら同じ作者が「DOOM」を動かしていて仰け反った。い…一体何が!

んで調べたら、マルチカート上にコプロを載せてる事が判明。いわばカセットビジョン状態みたいな?(汗)件のマルチカートの解説はコレ。

[Sprites mods – Extreme Vectrex multicart – Introduction](http://spritesmods.com/?art=veccart “Sprites mods – Extreme Vectrex multicart – Introduction”)

ST STM32F411が載ってる、メモリなんて16MBぶら下がっててUSBのIFも付いてる。PCでメモリ書き換えるわけね。って調べたら割と最近のチップじゃないですか。

[スマートフォン等のさらなる省電力化に貢献する最新のSTM32 Dynamic Efficiency(TM)マイコンを発表|STマイクロエレクトロニクスのプレスリリース](http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000518.000001337.html “スマートフォン等のさらなる省電力化に貢献する最新のSTM32 Dynamic Efficiency(TM)マイコンを発表|STマイクロエレクトロニクスのプレスリリース”)

さらにVectrexのカートリッジピンアウトはコレ、アドレスバス15bitのデータバス8bit、R/W双方向、NMIとIRQ付き。つまりはVectrexのCPUから見ると完全に別バンクのメモリなんだねコレ。

[Vectrex Cartridge – HwB](http://www.hardwarebook.info/Vectrex_Cartridge “Vectrex Cartridge – HwB”)

マルチカートの説明を拙い英語力で解読してみる。「Bad Apple!!」の場合、Vectrex側でカートリッジ上のアドレスを毎回読んで表示するだけのシンプルなプログラムを書いて、カートリッジ側ではVectrexが1フレーム表示を終わる度に、STM32F411がそのアドレス内容を随時書き換えている。という認識でいいんだろうか。しかしあんな描画速度出るもんなのね。単にメモリを読んで表示するだけなら高速には出来るだろうけど。

さらに音楽だ。Vectrexではベクトル描画用に8bit DACが載ってるけど、それは実はオーディオアンプに出力をリダイレクト出来る。ってどういう設計なんだこれ。つまりはDACの出力先がMonitor X/Y以外にAUXもあるって事なの? んで描画時間以外はそこにサンプリングデータをリダイレクトさせて音楽を再生させる。

読み出し内容はカートリッジ側で書き換えてるからコレも一種のストリーム再生って事になるのか。また凄い発想だ…。

と、ここまで書いておいてなんだけど、何分英語力が致命的なんで根本的に間違ってる可能性もあります、ご了承を。あと文章力酷いせいで分かりづらいね。

そいやVectrex環境のニュースは以前はGoogleGroupのrec.games.vectrexで拾ってたけど、GoogleReader死亡とともにRSS吐かなくなって見てないのよ、今見たらまだあるけど活動大分薄くなってるなあ。今回の「Bad Apple!!」も記事に載ってない。どこのサイトを巡回すればいいのかな…。今一番更新が活発なのはここらしいけど、RSS吐いてないなあ。

[www.vectrex.co.uk](http://www.vectrex.co.uk/ “www.vectrex.co.uk”)