> 著作権保護期間、死後50年から70年への延長を巡って賛成・反対両派が議論
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> ウィニー開発者に有罪判決 ネットの“天才”有用強調
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winny裁判、なんとも玉虫色の判決で実に歯痒い。さらに同時進行で著作権者(著作者とは必ずしも一致しない辺りに注意)の都合で著作権保護期間を作者の死後70年に延長しろとか色々。
50年から70年に延長されたのは主にディズニーの影響大なのだが、肝心の「ミッキーマウスのキャラクターデザイナーことアブ・アイワークス」はこの恩恵を受けて無いのだろうなぁ、多分法人としてのディズニーに帰属してるのかと。まぁ「ウォルト・ディズニー」あってのミッキーだから文句も言えんか。
著作権の話は難しいのであるが、結局つまる所これらの話で嫌な感じを受けるのは「著作権保護=著作権による収入の確保」であり「著作権侵害=収入への打撃」というステレオタイプな考えが見え隠れしてるからなのだろうなぁ。本当はもっと高尚な話の筈なのだが、金が絡むと途端に目が眩む事の多いことよ、無論自戒も含めて。
著作権の死後保護機関に関しては個人的には「死後最大25年、本人が望めば死後直後から著作権の完全なフリー化も可能」ってのが妥当な落とし所だと思う(25年ってのは扶養家族が確実に成人+αになっている年齢を考慮、20年だと大学就学中に切れちゃう可能性があるので少し延ばしておいた)。「もうすぐ主人の著作権が切れるんです」って、死後50年も経過した後に著作権が切れた所でその作品の社会的地位が劇的に変わるとも思えんし(50年間も死に絶えてない作品なら、むしろ上がる可能性の方がずっと高い)、これが「収入は要らない、原作の価値を陥れるような二次創作が流出する可能性があるから延長を望む」とかならまだ納得するけどよ。誰もそんな事は言わないんだよね。
winny裁判に関しては「著作権侵害の幇助」のみが問われたようで(判決文とか詳しくは見てない)、その意味では思ったよりマトモな内容にはなったとは思う。ただ金子氏が著作者であり著作権者でもある「Winnyの技術」のPDF版を自らWinnyでハッシュを晒して配布している(つまりキャッシュがwinnyネットワークに残っていればオリジナルが無料・安全・確実に手に入る)事については追求は無かったのだろうか。PDF版持ってるんだけどまだ読んでないんだよなぁ。
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Winnyの正しい理解か
よく言われる「ウィルスによる個人情報の漏洩」に関しては基本的に「明示的にwinnyを使用して、かつ意図してファイルをダウンロードし、なおかつそれらを実行・表示・再生しようとしないと被害は発生しない」事から今回の裁判では一切問題になってない、これは当然である。つまり「著作権をほぼ確実に侵害しようとした奴が流出」させてるんだよなアレは。だからこれで金子氏を有罪にしろっつーても無理。
しかし流出に対する罰則が緩いのが気になる。少なくとも公務員でばら撒いたら即効で懲戒免職でいいと思うがなぁあんなもん、真っ先にそれを実践してしまった京都府警が絡んでるのが一番納得できない。「技術的に解明した」ってそこら辺のPCショップの店員以下の知識だったし。
何にせよ「winnyの前では現行の著作権法は意味を成さないし、それは一回実証されてしまった以上winnyに限った事では無い」事が一切追求されて無いのが甘すぎる。飲酒運転による事故があったからと言って酒がこの世から消滅しないようなもんで(禁酒法で逆に事態が悪化した例もあるし)、とかく著作権に関しては従来の枠組みの中で考えるのが不自然な位なのだが…。海外で映画配給会社がBitTorrent(P2Pソフト)による予告編配布を行ってる事も含めてよーく議論して頂きたい。
とか思ってたら
> 「Winny」開発者の金子勇氏に罰金150万円の有罪判決
> 幇助として問われるかどうかは「現実の利用状況や本人の認識による」
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…いやあーた、『幇助として問われるかどうかは「現実の利用状況や本人の認識による」 』とか言い始めたら全てのマスコミ死亡ではないのか?
少なくとも「Winny活用本」を出した全ての出版社は幇助扱いだよねぇ?