庵野監督へ
やりやがったな
やりきったな
ありがとう
おつかれさま
以下軽いネタバレ。
…
…いいかな?
観客層が意外に若い人が多くて、新劇から入った人の方が多いんじゃ無いかなあ。そういう「新劇しか見てない人」にとっては受け入れづらい内容かもなあ、とは思う。構造としては完全に「Q」の続編、というか「序破急」なので「急」を「Q」と「シン」に分割したという方が分かりやすい。
思えばタイトルが「シン・ヱヴァンゲリヲン」じゃなくて「シン・エヴァンゲリオン」って辺りでもうネタバレなのだな。この作品は「TV版から全ての総括」であり、「さよなら、すべてのエヴァンゲリオン」というのはまさに文字通りなんである。その割に旧劇の量産型は居なかったけども。
だから「EoE」の要素は当然入るのだ、そして見事に着地させた。シンジ君どころか登場人物全員納得させて着地させやがった。本当に信じられない。まさに「当初から見ていた人達にとっての最高のラスト」である。いや正直「人類補完計画」とか適当にお茶を濁すもんだと思ってたんだよ。でもそうしなかった。細かい部分を突っ込み始めたら止まらないんだろうけど、そうはしない。野暮だから。
北上(ピンク髪のくちびるオペレータ)が「新劇しか知らない視聴者」を代弁しているのも上手い構成である。予告で違和感のあったフルCGによる初号機と13号機の格闘も実際見てみたら「やられた!」と思った。ああいうギミックを嫌う人が多数居るのは承知で、オレもあんまし好きじゃないです。でもやりたかったんだろうなあ庵野。
何より途中でかかる松任谷由実のあの曲がズルい、あれでちょっと涙腺が緩んだおじさん。まさかそっち方面の業まで背負うとは(考えすぎです)
そんな訳で「エヴァンゲリオンめんどくさいおじさん」のオレは成仏しました。ほかにも多数の人が成仏した模様です。そういう事なんだろう。これから別の人でエヴァのアナザーストーリーは作られるかも知れないけど、庵野はもうエヴァには関わらないだろうし、関わって欲しくないというのが本音である。あの才能はもっとほかの事に使おう。
思えばオレは「EoE」で本当見切ってて、新劇場版は「序」は確か劇場に見に行ってないんすよ。「破」公開前にテレビ放映してるのを見て「これ見に行った方がいいかも」と「破」を見に行ってやられたんだったかな。それが結局救われたんだから、長いことオタク趣味をやってて良かったかもなあ。
それにしても疲れた。午前休を取って午前中に鑑賞して午後から仕事してるヒトすげえ。
庵野のTV版エヴァ放送前インタビューなんてのも流れてきて「女の子はよりどりみどりです、でもステロタイプなキャラは出てこないよう心がけています」と答えていたが、まさかのエヴァ以降で綾波、アスカがそのままステロタイプの大元になるとは思わんかっただろうなあ。まさに「時代を作った」作品なんである。そして今もなお綾波とアスカは魅力的だった。マリが薄味に見えてしまうのはたぶん意図的なんだろうなあ。
「一度たりとも一瞬たりともシンジ君に感情移入をしたことない」という面白い指摘があって、オレも同じだと気づいた。逆に若い世代の方はシンジ君に感情移入してるっぽいんだよね。だからまあ賛否両論になるとは思います。