[映画]涼宮ハルヒの消失(若干ネタバレ)

という訳で消失ハルヒである。

涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)
涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫) いとう のいぢ

角川書店 2004-07
売り上げランキング : 286

おすすめ平均 star
star映画を先に見てからの方がより楽しめる
star待ち望んだはずの平凡な日常、そして失われた非日常
star最高傑作!

Amazonで詳しく見る by G-Tools

アニメは一応全部見てるけどソフトは一本も買ってない。小説は全部買って読んでるけどまぁその程度のアレという人。

ハルヒシリーズは原作からして面白さの波が激しいんだけど、最初の「憂鬱」と途中の「消失」はかなりの良作であり実際評価も高い。特に後者の「消失」は筒井康隆も褒めた位だしなw

てな訳で長年映像化が待たれた「消失」だが、アニメ二期でやると思ったら「エンドレスエイト8回リピート事件」で放送しなかった」上に「劇場版でやるよ」とオチが。まぁ色々憤慨して「BDで出るなら買ってもいいけど、劇場に行く気せんわー」とか思ったのだが。

長門有希ちゃんの消失 (1) (角川コミックス・エース 203-5)
長門有希ちゃんの消失 (1) (角川コミックス・エース 203-5)
角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-02-04
売り上げランキング :

おすすめ平均 star
starこれはこれでありです
star予想以上に良い感じ
starこの長門はかわいい!

Amazonで詳しく見る by G-Tools

つい先日購入した「長門有希ちゃんの消失」が良すぎてねー。気づいたらオンラインでチケットを予約購入しておりました。こういうのは勢いが大事です。初日に見に行けばTwitter上で色々言われても気にならんしな。(コレはヱヴァ破の時に思い知った)

という訳で劇場に行ったらのいぢ絵が表紙の長門メモ帳をくれました。えーと…正直長門に見えないねコレ(汗。劇場に入ったら暑くて驚く、周りでも暑そうにしてた人が多いのでエアコン設定とかの問題かね。

んで上映開始…の前に予告編色々。「文学少女」の予告編が出て思わず失笑(「文学少女」がアレという訳では無くて、「消失」の舞台は文芸部なので相当内容が被るから)、にしても明らかに失笑が起こるって事は…ここに来てる奴らはほとんど原作読んでるなコレ(汗

そして開始。OP曲は意外にも「冒険でしょでしょ」、敢えてコレを使った意味が後になってわかる。冒頭は「サムデイ・イン・ザ・レイン」の直後から始まる(ので部室にストーブがちゃんとある)、いつものハルヒ。そう「いつものハルヒ」から始まると意識させるのが狙いなんだな。

にしても作画もさることながら、モブキャラまで生き生きとして動いているのが凄い。ちゃんと服装も細かく描き分けられてたりして(スカート+ジャージのハニワルックとかな)昨日見た「ポニョ」とは違う方向性で凄い。

そして原作通りに奈落の底に突き落とされるキョン。この辺りはマジで凄い。そして「消失版長門」の登場…。この世界にしか居ない長門、儚げな存在でありながら表情などの描写が無茶苦茶丁寧で凄い。「長門はちょっと…」とか言ってる奴はとりあえずコレ見てから言いやがれ、と言いたくなるようなスタッフの心意気が伝わる。

「涼宮ハルヒの憂鬱」「笹の葉ラプソディー」「エンドレスエイト」などを見ていないと判らない伏線(特に前二つは重要というか必須)を使って、紆余曲折あって鍵を揃えた時に表示される「YUKI.N>」の文字…。マジであの瞬間キョンとのシンクロ率は100%になり涙ぐんでしまった、あそこで泣けるというのはおかしい気もするが実際そんな気分だったから仕方がない。

気がついたら飲み物は最初に一口飲んだだけで全然飲んでいなかった。そこまで集中して見ていたのだろう(結局最後までそのままだった)

後半ちょっとダレる部分もあったりするが、キョンvsキョンの演出とかも含めて「TVでは出来ない」という事をやっていたのが良かった。TV放送だと相当修正かかるカットがあるだろうなーコレ。それ以前に160分の映画をTVでノーカット放送とか出来るとも思えんけど。

気づけばエンドロール。その後のエピローグ映像がまた凄くズルい。

ただごく一部で気になる所もあったり、エレベータが8階から5階まで移動するのにどんだけかかるねん!とか、髪の毛が基本アニメ系(束単位で動く)なのにたまに異様に生っぽい動きをしたりして(ロトスコープ?)ちょっと違和感があるとか。そういう所はあるけど致命的では無い。

総括としてはもの凄く良い出来で面白かったと言わざるを得ない。感服。

欠点と言えば「あえて劇場で見る作品でも無い」という事か。時間は見てないけど、多分二時間を超えた辺りからトイレに行く人が結構居てかなり目障りだった。大画面を一人で占領したい。そんな作品である。

160分という尺は全然長く感じなかった。TVAだとOP/EDを除けば一話22分位なのでだいたいボリューム的には8話か。でも一気に見るという事で「消失」の良さを感じることが出来る。

エンドレスエイトで長門がただ一人無限とも思えるループを全て記憶している事を考えたら、エンドレスエイトの8回ループ放送も許せる…ような気がしてきた。どちらにしろ「長門が経験してきた」事が重要。

そんな訳で「アニメは見たけど面白かったよ」とか「原作の消失が好き」という人には無条件でオススメしておく。逆に「ダメだった」という人には薦められない。なんか所見の人でも結構楽しめるらしいけど。

てな訳でBDが出たら欲しいな、とは思うけど(実際TVのCMではHV1280+フォーマットで放送してるんだし)、DVDのみリリースとかだったら買わないなーという感じですか。とにかくもう一回見るなら家でじっくり見てみたい気分である。一部では観客マナーが相当酷かったらしいし。

改めて考えると、この「消失」をきっかけにして「ハルヒに振り回されるSOS団」という図式が崩された訳で、原作が止まっちゃってるのは勿体ないよなぁ。次巻もようやく出ると言う噂が出ているけど、どうだか。

とりあえず近々「消失」だけ再読しようか、うん。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です