[光速船/Vectrex]ベクターグラフィックスのルーツ

こないだWOWOWで再放送された「CG進化論」をキャプチャついでに横目で見直し。今読み直してる「電子音楽 in Japan」もそうなんだけど、初期の頃から発展する部分が一番面白いんだよなー。

で、初っぱなから驚いたのがアイバン・サザランド氏による「Sketchpad)」というシステム。こいつはYouTubeに実機の動画があるので見て貰う方が速い。

ベクターモニタベースのGUIなドローツールをこの時代に完成させてる! 途中のスイッチで図形がモーフィングするのはベクトルの傾きを90°単位で修正する奴みたいね。YouTubeでは分かんないがWOWOWで見た動画では「ペンで画面をタッチ→左側のスイッチを倒す」瞬間に画面をラスタスキャンしてるみたいなチラツキが出るのでそれでペンの位置を測定してるのかな、と思うのだがそれだと説明付かない部分もあったり、謎。

どっちにしろ時代を考えるとあまりに先を行きすぎたシステムだ。ベクターモニタのシステムとしては古い画像処理関係の資料に「ジャンボジェット(いわゆるボーイング747)のCAD設計に使われたのが世界初」という記述もあるのだが、747の初飛行が1969年でSketchpadは1963年。んーいい勝負か? ジャンボの図面は全部CADで書いたとも思えんし。

で、なんで「光速船/Vectrex」カテゴリなんだって言われたら「ベクタースキャンだから」というのもあるんだけど(YouTubeでもオブジェクトが増えると描画がどんどん遅くなるのが判る)、あのVectrexのライトペンに付いてくる「ArtMaster」、あれって絶対Sketchpad(およびその派生)の影響を受けてるよなぁ、とか思ったり。「ArtMaster」にもモーフィング機能はあるしね。

ちなみに「CG進化論」では現Pixer社長のエド・キャットムル氏が1973年(!)に発表したポリゴン+グーローシェーダーによる自分の手を元にモデリングした映像も見られたりして興味深い。ちなみにポリゴン頂点座標はクレイモデルから手作業で取ってるから死ぬほど大変だったろうなコレ…。

あとは久々に「Panasonic “Glider” 1981」が(一部だけだけど)高画質で拝めたのが嬉しかったり。YouTube版は画質が残念。

ただコレってCGでパース取って手作業でかなりの部分をフィルタリングやってるって話じゃなかったかなぁ、どっちにしろ(トロン同様)相当人海戦術だったことは間違い無さそう。

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