[映画]ローズ・イン・タイドランド(原題:TIDELAND)

鬼才ギリアムの新作が一年と空けずに見られるとは…、札幌ではシアターキノという小さな所(でも凄くいい所ですココ)のみ上映だったので上映が終わってしまう前にサクっと見に行く。

(OHP)

…あーうー、これはなんと評したらいいのか。正直「娯楽性」は皆無に近いと言ってもいい。天才子役のジョデル・フェルランドを楽しむ映画というなら娯楽性もありか。

悲惨な状況で一人生きる事を強要された女の子(お友達はバービー人形の頭四つ!)と知的障害(とは一言も言ってないが見れば明確)を持つ男とのシュールな妄想と悲壮的にリアル過ぎて目を背けたくなるような現実が交錯するの世界での恋愛、そんな映画。メインで出演する大人は誰一人としてマトモでは無い、そこに逞しく適応しつつ妄想の世界を行きかう子供…。文面書いただけで辛いなコレ。

そしてギリアムの映像美と非日常性は嫌というほど堪能出来る、そう本当に嫌という程に。「好きか嫌いか」で言えば「まぁまぁ好き」ではあるけど、「良いか悪いか」で言えば正しく評価する軸をオレは持ち合わせて居ない。そんな映画。

正直言って他人には気楽に奨められないなぁコレは。初回初日だったのだが、観客もかなりポカン状態だったくさい。しかし主役のローズを演じたジョデル・フェルランドは凄い、あまりに凄すぎて将来が今から心配になる位だ。

なんつーか、これに比べたら大抵のハリウッド映画など三分でダイジェスト版が作れるだろうし、あの「未来世紀ブラジル」でさえも「非常に判り易い」映画だと思うわ、本当に。色んな意味で打ちのめされたというか…。この世界を構築したギリアムと役柄を演じきった俳優達には素直に敬服するしかないけど。

そうそう日本じゃR-15指定でそれは間違ってない、けど主役のジョデル・フェルランドは撮影当時10歳なんだよな、日本公開された事そのものが奇跡なのかも知れず。

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