アフタヌーン本誌で連載中の作品、一応コレが初単行本らしい。コミックスの類は収拾付かないので出来るだけ絞るようにしてるんだけど(絞ってコレかよというツッコミは却下)、ピンと来た新人のは積極的に買って応援していきたい、という事で購入。いや漫画家って単行本が売れないと本当に死んじゃう職業だし。
ハックス! 1 (1) (アフタヌーンKC) | |
今井 哲也
講談社 2008-11-21 |
一巻は高校の部活紹介で流された謎のアニメフィルム(ビデオですらない!)だけがきっかけで、いわゆる「突っ走り系」な女の子がアニ研に入部してパラパラ漫画から始まり、ついにニコ動(作品中では別の名称)にうpする、という所まで。
絵は荒いしちょっと読みづらい部分も有るんだけど(台詞回しとか誰が言ったか判りづらい部分がある)、とかく「とんでもなく動くアニメを見た時に感じた躍動感と興奮」をそのまま叩きつけた作風が実に良い。突然「なんだただの神か」とか「うp」とかの特殊専門用語wが全然フォローも無しに出てくるのはどうかと思うのだが(一部は後でフォローされる
最近は別居中の主人公の兄と「謎のフィルム」とかが連動してきて結構面白い、今月号に出てきた「構内での法律違反」ってのは「動画における著作権違反」の件だろうなぁ。「アニメーション」というモノに対する技術解説は意外にちゃんとしてるので、そういった方面が好きな人にもちょっとススメとく。
実際ニコ動では手書きアニメを本当に描いちゃう人が居たり(流石に完全オリジナル、ってのはかなり少ないけど)、アクションフィギュアでコマ撮りしちゃう人(ハリーハウゼンPって名乗れよ、って米にはウケた)も居る位だしねぇ、あながちこのマンガに描いてある事は全くの絵空事でもない。逆に言えば10年後に見たらもの凄く古い話になるかも知れんなぁ。とかく面白い時代を体感してるって感じだなー。
それにしても最近のアフタヌーンは「ぢごぷり」がとんでもなくダークな領域で色々辛い、いやリアリティがあるのは判るんですけど! 「こういう事をリアルに描かせたらシャレにならない」という自覚が作者と編集には無いのだろうかと、自覚してやってたらそれこそタチ悪いよなぁ。