どっちの機体も綺麗なコンディションを維持してました。
三菱零式艦上戦闘機五二甲型(海軍A6M5a1)
零戦に関しては元々の機体強度のよわさ+経年劣化で、外板はかなりベコベコになってきてました。
それでも、元の優美なラインは消えておらず、往時の頼もしい姿のままでした。
塗装に関しては、機体上面はともかく、機体下面の色はもうちょっと青味がかっているような気もしましたが、きっとあちらが正しいのでしょう。
エンジンコンディションは、正直分かりかねます(^^;
なんせ、完全状態の時の榮二一型発動機の音を知りませんから・・・。
でも、星型空冷16気筒が、水平対向と同様に非等間隔爆発ならば、そう調子が悪い訳でもないと思われます。
でも、スターターで始動するのは風情が無いぞ>アメリカ人
ノースアメリカンP-51Dマスタング
さすがに、40年代のアメリカ製工業製品は頑丈な上に高性能って感じでした。
当時の姿を完璧に再現していると言っても、過言では無いでしょう。
外板にもへこみの一つも無く、綺麗でした。
随所に零戦との技術格差を思わせてくれる部分がありまして、その最たる物は風帽でしょう。
零戦では、細かく枠を切って平面アクリル板を入れるしか出来なかったのがマスタングは、一体整形の涙滴型です。さすがに視界の歪みを取るために、各部の厚みを微妙に変化させるところまでは行ってませんが・・・。
エンジンも、当時の日本ではまともに動かすことが出来なかった液冷エンジンを装備し、やっぱり日本では無理だった2段2速式の加給器を装備して、稼働率は70%を軽く越えていただけあって、バラつきも無く、直列エンジンの爆音を轟かせていました。
2機を比べると、設計思想の違いがわかります。
端的に言えば、中高度での運動性能を重視した零戦と、高高度での速度性能を重視したマスタングと言ったところでしょうか。
ただ、マスタングが速度性能の向上だけに絞ってエボリューションをしたのに対して(翼端の切りつめ、アリソンエンジンからグリフォンエンジンに換装等)、零戦の方は途中から、戦術上の要求とはいえ速度も向上しようと方針変更したのが、機体のバランスを崩す結果になってるのは、失敗だったような気もします。
※以上の文章は鑑賞直後に書かれたものです。
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