[基板]konami NEMESIS修理 その3 修理完了!

えー昨日「ちょっと頭冷やします」とか書いたけど、仕事でちょっと時間が空いた時に考えちゃう。もうちょいで動きそうだし。

気になるのはフォトカプラの後ろにある「74LS253」というセレクタTTL。コレで3個または2個の入力をまとめて1個にして、19個の入力を8個に減らして出力してる。その理由がイマイチ分からない。もっと単純ならわかりやすいんだけど…、そこで気がつく。具体的に入力周りをどう処理しているか分かる資料があるのだ。MAMEのソースである。

MAMEでは入力デバイスは当然OS依存の標準デバイスだが、この入力値をエミュレータに渡すために変換してるのである。つまりはそこを見れば分かると。検索したら早速「nemesis.c」なるソースがあったので読んでみる。

…あーメモリマップドI/Oというべきなのかなコレ。つまりは先の8個の出力がまんまCPUのデータバスに乗っかるのね。とココで納得。

説明すると74LS253というTTLは4bit入力1bit出力のセレクタが2バンク入ってて、4bitのどれを出力するかのセレクトピンが2bitある(コレは両バンクで共用)。さらにバンク毎に出力イネーブルを行うピンがある。つまりピン数はVCC+GND+select:2に加えて(in:4+out:1+enable:1)が2バンク分で合計16ピンとなる。

具体的にはアドレスバスの下位2bitをそのままセレクトピンに入れて、読み出すタイミングでバンク出力をイネーブルにすれば4bit分のどれかが読めると。これをメモリバスの適当な位置に配置すればまんまメモリマップドI/Oになる訳である。当然読み出し専用になるけど。

この74LS253というTTLは4つ実装されてて、そのうち二個は壊れたのか一回外してソケット化されている、というのは前回書いた。その時にソケット下の配線が断線してたというのも書いた。コレはICを外す時にマイナスドライバーを突っ込んでグリグリやると表面のパターンが痛むって奴だと思う。やった事あるから分かる(汗

で、以前ソケット化されてた二個のTTLを入れ替えても現象が変わらなかったので油断してたのだが、ここでようやく気づく。「そもそもソケットの時点で断線してたらダメじゃね?」

ここまで会社で気づいたので、なんかもう早く試したくて仕方がない。調べるだけならテスター当てるだけだし。

んで帰宅して晩飯後にさっそく基板を取り出して、例の74LS253にテスターを当てる。当てるのはセレクトピンとバンク毎イネーブルピンの4ピン分、これは4つのTTLに全部同じモノが入ってるのだ。つまり最初のTTLのピンにテスタを当てたら、残り三個のTTLの同じピンはショートしてないとダメという事になる。

…んで調べたらあっさりとショートしてないピンがあるTTLを見つけてしまって逆に動揺する始末。ショートしてないのはバンクイネーブルピンで、場所的にはちょうど「1P MISSLE」「2P MISSLE」の入力・出力バンク。ドンピシャじゃーん!

ただ「2P DOWN」については別のTTLで、こちらは問題無かったので原因が分からない。このTTLは未交換で、TTL自体が壊れてる可能性もあるけどとりあえず導通チェック。…フォトカプラ コレクタ出力からプルアップ用集合抵抗まで導通してるけど、そこから74LS253まで導通してねえー! そこは調べてなかったので油断してた。なんという…なんという…。

という訳で二枚基板をバラしてパターンを追いかける。どうやら今回断線した二箇所は、昨日断線が判明してジャンパを飛ばしたICソケットと全く同じ位置にあるらしい。というかICソケットが邪魔過ぎてよく見えないのだが、影に隠れて削れてる跡があるので間違いなさそう。よくよく調べてジュンフロン線でジャンパを二箇所飛ばしてコレで合計三箇所。テスターで入念に調べて問題無い事を確認。

さらに基板端っこの方のTTL用バスコンがもげたので(汗) 一応念のためこちらも交換。普通のセラミックコンデンサが手持ちにないので(最近あんまし見ない)、手持ちの積セラを使用する。積セラは入手性はいいけど割と高いんだよなー。こっちもGND側のスルーホールが死ぬほど抜けなくて苦労するする。結局抜けなかったのでどうにかごまかす(汗

んで基板上の半田クズとかを入念に掃除して、二枚基板を組み立ててコネクタをつないでテストモード起動。…直った! 完璧だ! とか思って2P側を調べたらボタン3「2P SHOOT」が反応しない。

なにかと思って一回電源を切って変換ハーネスを見てみたら、そもそも2P側だけボタン3が配線されてなかったオチ。この変換ハーネス、ボタン配列とか間違ってるのでそれも含めてやり直しー。

ついでにJAMMAコネクタGピン(裏表誤挿入防止ピン)用の切欠きも無かったので、手持ちのヤスリで削ってみる。…おぉ普通にヤスリだけで十分削れるのねコレ。削った後は大量に粉が出るのでエアダスターで入念に飛ばしておく。

そして再度チェック。今度こそ完璧である。長かった…いやしかし全部自分で出来て良かった! ぶっちゃけ修理するの楽しかったのでいいです!

基板も見た目は表に出てたフォトカプラのジャンパも無くなってキレイになったし、今回付けたジャンパはハンダ面で見えないのでキレイなもんである。ハンダ跡は汚いけど。

という訳で、これにてNEMESISの修理完了。いや昨日「もう修理に出しちゃうか…」とか思ってたのが嘘の様な清々しさだなー、基板修理楽しい。

しかしNEMESISの基板って三層以上である。真ん中の層で5V/GNDのラインを引っ張ってるらしい(なのでスルーホールは壊すとかなりマズい)、幸い信号線は表裏に全部出てるのだが、何回も書いてる通り非常に追いかけ辛い構造になってるので辛かった。勉強になったなー。

にしてもNEMESIS、普通のグラディウスと違ってモアイ面で処理落ち全然かからなくて変に難しい気がするんですが。ぶっちゃけまだ一周してません(汗) ちょっと頑張れば一周は出来るはずなんだけどねー。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です